Audibleを試す (と称して MUVO TX FMを買う)

投稿: 2005年2月19日

Audible というサービスがある。ラジオ番組から本の朗読まで、いろいろなオーディオ・プログラムを、一部は無料で、大半は有料で提供しているサービスである。昔から存在は知っていたのだが、最近これを使っているという知り合いの話を聞いて久々に見てみると、以前と比べてかなりプログラムの数が増えている。ちょっと眺めてみると、結構聞きたいものも多い。そこで、実際に使ってみた。

このサービスの場合、 Audible 形式のファイルをダウンロードして Audible Manager というソフトを使って管理して再生することができる他 (実際の再生は Windows Media Playerや Real Player でも可能) 、 Web上でストリーミングで聞くこともできる。また、日本でよく見られるコンテンツ販売と異なり、一度買ったコンテンツは無期限に自分のものとして、新たな料金を払うことなく聞くことができるらしい。また、 Audible Manager ではなく、 iTunesで管理することもできるらしいが、 iTunesは僕にはあまり使いやすいものではなかったので、こちらは試していない。

さて、これだけだとそれほどうれしくはない。特に、僕が聞きたいラジオ番組などは、わざわざ Audibleから買わなくても、番組の公式サイトにアクセスすれば、ストリーミングで、それも無料で聞けるものも少なくない。もちろん一度ダウンロードしたコンテンツは、ネットワークにつながっていなくても聞けるというメリットはある。普段、電車の中で PCを開いて、ヘッドフォンをかけて、メールやら何やらを読んでいるのだから、メールの代わりに Audibleから買ったコンテンツを聞く、ということは当然可能である。そして、最近スクリーンリーダーの声ばかりを聞くことに疲労を感じていたところなので、電車の中でやることとして、これは非常に魅力的なものにも感じられる。しかし、合成音声が疲れることの他に、わざわざ PCを出したりしまったりというのがめんどくさい、ということがあるのも事実だ。そして何より、 PCは座れないと使えない。 (まあ立っていても使えなくはないのだが、それこそめんどくさい。) そんなことを考えながら Audibleのサイトを眺めていると、Audible Managerを使うと、ダウンロードしたコンテンツを Audible形式に対応するポータブル・プレイヤーに転送することができるということが分かった。これはありがたい。これなら座れなくても聞けるし、電車を待っているときにも気軽に聞ける。そう思ったら、とたんに新しいホー他ブル・プレイヤーが欲しくなってしまった。

今から 5年くらい前だろうか、 RIO 500 だったか何かを買ったことがある。どうやらこれも Audibleのコンテンツの再生に使えるようなのだが、どこをどう探しても出てこない。確かにもう 2年くらいは見ていないような気がする。それにこのプレイヤーは、サイズもそこそこでかいし、何より USB mass storage classに対応してないし、当然 USB 1.1なので、今更使う気もしない。これとは別に、 MP3再生ができる、 mass storage class 対応の ICレコーダーというのを持っていて、これはどこにあるかも知っているのだが、残念ながら Audible対応ではないらしい。ということで、やはり新しいのが必要な訳だ。いや、正確には、だからあきらめて PCで聞けばいいんだ、というのが貧乏人であるところの僕のあるべき姿なのだが、一度欲しくなってしまったものは、どうあっても欲しいのだ。それに、上述のように、やはり便利そうなのだ。

実はちょっと前から、 HDD内蔵のプレイヤーが欲しいと思っていた。しかし、どれもなんだか使いにくそうな印象があり、購入には踏み切れないでいた。そこで、これを機に購入してやろう、と一瞬考えたのだが、どうも自分にはそんなに大容量のプレイヤーは必要がないような気がして、結局 HDDプレイヤーは選択肢から除外した。そして、あれこれ Webを見て回った結果として、 Creative MuVo TX FM 512MB [CNMVT512F] を購入することにした。これに決めた理由は、主に以下のようなところだ。

  • USB mass storage class 対応で USB 2.0で利用できる。
  • 専用のアプリケーションがなくてもデータ転送と転送したデータの再生が可能。
  • とにかく小さい。
  • 市販の電池で動作する。

本当は FMラジオの受信機能などはどうでもよかったのだが、 FMラジオがついていないモデルだと、なぜかメモリー・サイズが 256MBと半減してしまうのにもかかわらず、価格が千円しか安くないのだ。これはなんだかばかばかしいので、 USB フラッシュ・メモリーとしての用途も考えて、いらない機能はあるものの、メモリー・サイズの大きい方を選ぶことにした。

さて、実際に AUdibleからコンテンツを買って、このプレイヤーに転送して使ってみた。特に問題なく仕える。 (当たり前か。) いろいろとやってみたのだが、とりあえず当初の目的であるところの、電車の中 (など) でオーディオ・コンテンツを楽しむ、というのには特に問題はない。やはり便利である。

しかし、文句も多々ある。まず、 MUVO TX FM 、はっきり言ってユーザ・インタフェースは最悪である。単にいくつかあるファイルを再生するだけなら全く問題はない。しかし、複数のフォルダがある場合や、せっかくある FMラジオやボイス・レコーダーの機能を使いたいときなどは、ジョグダイアルを押したり倒したり、非常に操作が分かりにくい。再生/停止、ボリューム調整以外の全ての機能を、このジョグダイアル一つでカバーしているのだから無理もない。しかしだ、せっかくここまで小さいのだから、ポケットから出さなくても主要な操作ができるような仕組みを考えて欲しいものである。

もう一つの文句は、 Audible Managerがヘルプに書かれているように動かないように見えることだ。ヘルプによると、 Audible Managerとポータブル・プレイヤーの同期の機能があり、結構賢く作られているようなのだが、どうもこれがうまく動かないのだ。便利そうなだけに、使えないのが残念である。また、これは JAWSとの相性の問題なのかもしれないが、しばしば固まってしまう。とは言うものの、 JAWSの読み上げとの相性はいいので、その点はありがたい。

ということで、今回の衝動買いは、「まあまあ成功」といったところだろうか。ともかく、電車の中でできることが増えたのはありがたいことである。