風邪に流される生活

投稿: 2006年2月25日

先週の初め頃から、風邪を引いている。最初は単に喉が少し痛いだけだった。これまでなら、数日で回復していたこんな風邪が、最近では全然治らないのだ。年齢のせいか、食生活のせいか、その他の要因によるものなのか…。

今回の風邪に関しては、軽い喉の痛み→ちょっと回復→しつこい痰が出現→激しい咳き込み→だいぶ回復→唐突な咳の復活、と言う具合で、もうかれこれ2週間くらいになる。症状が変わる度にまじめに医者に行っているのだが、なかなか直らない。今日も、医者に行った後、都内で私用を済ませてから職場に行くつもりだったが、あまりの咳のひどさにあきらめて帰ってきてしまった。より正確には、ここのところひどい咳の生でまともに寝られないので、疲れが蓄積されているらしいのだ。実は一昨日の夜は、それまでの寝不足もあったし、咳がちょっと回復していたこともあったので、結構しっかり眠ることができたのだが、昨夜はまたまた咳がひどかった。 (という訳で、意図せずしてフィギュアスケートなんぞを見てしまったわけだが。)

考えても見れば、ここ数ヶ月間は、過去に例を見ないペースで病院に行っている。一人暮らしを始めた15年ほど前からのことを思い出してみたのだが、歯医者を除けば、ほとんど病院などという所には行ったことがない。風邪を引いた時も、僕の場合はだいたい食欲はあるので、栄養価が高そうな食事をして、アルコールを控えて、ビタミン剤を飲んで寝れば、数日で回復していた。熱が出ても、水をがぶがぶ飲んで寝ていれば下がった。一度食中毒なのかというような症状で苦しんだこともあるが、その時もひたすら水を飲んでなんとかなった。 10年くらい前に、一度発熱して苦しいことがあり、その時は大学の診療室で薬をもらったが、それを除けば風邪で医者にかかったことというのは思い出せない。後は、アメリカにいた時にインフルエンザらしき症状で一度、 3年ほど前にもやはりインフルエンザらしき症状で一度医者にかかったが、そんなところだ。その 3年前の時も、職場の近くの病院に行ったので、実は、前に住んでいた所の最寄りの内科医院というのがどこにあったのか、 10年も住んでいたのに知らないという有様だ。

去年の秋、同僚がアメリカから持って帰ってきたと思われる風邪らしきものが移ってしまった。 (と僕は思っている。) 最初はちょっと喉が痛い程度だったので、例によって食事をしっかりとしてビタミン剤を飲んでおとなしくしていた。ところが、これが全然直らない。だんだん咳がひどくなり、喉の痛みが耳の方まで移ってきて、非常につらい状況になった。何かを飲み込むと、喉と言わず耳と言わず、顔の中全体が痛いのがとにかくつらかった。起きている時はがまんできるが、寝ている時はがまんできないらしく、目が覚めると顔中がよだれだらけになってるという、なんとも汚い状況だった。この時はさすがにあきらめてまじめに医者に行った。合計で何度行ったかすでに思い出せないのだが、結局この風邪には 1ヶ月半ほど苦しめられた。おそらくこの風邪の間の通院回数が、すでに過去 15年間の通院回数を上回っていると思う。

などということを書いていて、他人が読んで役立つ情報もなければ落ちもない話になりそうな雰囲気が濃厚になってきたので、ちょっと話を変えて、とってつけたようなことを書いておこう。

前述のとおり、僕はアメリカにいた時に一度インフルエンザらしき症状で大変な目にあったことがある。最初はただの風邪だと思っていたのだが、三日たっても熱が下がらないのであきらめて医者に行ったら、おそらくインフルエンザでしょう、と言われた。その時は、たまたまスキーをするためにコロラドの山奥にいたため、標高が高くて酸素が薄く、それも回復を遅らせた原因だったらしい。そんな訳で、病院では点滴と酸素吸入を受けた。一緒に行ってくれた人によると、酸素吸入の後、みるみる顔色が良くなったそうだから、やはりかなり苦しんでいたのだろう。

よく言われることだが、アメリカでは医者にかかるのは随分高くつく。医療保険に入っていなければ、上記のような診察と治療を受ければ、きっと数百ドルとか、もしかするともっと高い額が必要になると思われる。が、ありがたいことに僕の場合は海外旅行傷害保険でカバーされたので、一切お金を払う必要はなかった。風邪なんか栄養をとれば直る、という自信を持つことができた 10年くらい前ならともかく、どうやら年齢とともに自然治癒力が低下しているらしい今日この頃においては、ちょっと高くてもちゃんと保険に入ってから海外に行かないと、とても安心できないと感じる。少なくとも、医療費もカバーされる保険がついたクレジットカードくらいは、年会費をはらっても持っておいて損はないと感じる。