エアコン

投稿: 2006年3月18日

ネットをうろうろしていたら、 All Aboutに「フロントはfrontじゃない?!ホテル英語の真実 」という記事を見つけた。フロントが frontじゃないのはそうとして、この中にエアコンが airconではないという記述があった。これ、必ずしも正しくない記述だと思うんだが、意外と知られていないのだろうか。

確かに、アメリカやカナダやおそらくイギリスで airconと言ってもさっぱり通じない。上述の記事にあるように、 air conditioner と言わなければだめだろう。しかし、実はこのエアコンという和製英語、と言うか日本人が得意な省略後は、シンガポールとかマレーシアあたりではごく普通に使われている言葉なのだ。 (ちなみに、アメリカあたりでは ACと言えば、文脈的に突飛でない限り通じるはずだ。)

僕が初めてシンガポールとマレーシアに行ったのは、今から 4年近く前のことだが、その時に現地人が aircon というのを口にしているのを聴いて、衝撃を受けたものである。 (というと大げさすぎるか…。) それまで主にアメリカの英語の中でしか生活したことがなかった僕には、結構な驚きだった。他にも、カナダ人、イギリス人、フランス人、オーストラリア人との英語でのやりとりの経験がそれなりにあるのだが、それまで彼らの口から airconという言葉を聞いたことはなかったのだ。

上述の記事では、旅先カナダでの会話、という設定になっているので、 airconが通じない、というのは正しい記述なのだが、これを英語全般に言えることだと読者が受け取ってしまったら、やはり間違った記述ということになってしまうだろう。常々思うことなのだが、日本人はどうもアメリカやイギリスで話されている英語だけが正しい英語だと思う傾向が強いような気がするのだが、シンガポールだってインドだってエジプトだって、英語は公用語の一つになっているはずである。だから、これらの国の教育システムの中で英語教育を受けてきたこれらの国の国民が使う英語は、少なくともこれらの国の中では正しい、あるいは通用する英語だということになるだろう。だから、英語というのは所変われば発音だって表現だって単語だって変わるものであることを、もっと意識する必要があると思うし、英語について語る人たちには、そういう事実をもっと伝えて欲しいと感じるのだ。

なんてことを書いたのは、僕自身が英語を使う時、英語と接する時に、そういうことをちゃんと意識する必要がある、と自分に思い出させるためでもあるのでした。