三菱東京UFJ銀行で両替

投稿: 2006年8月11日

明日は友人の結婚式に出席する。ということで、新札を手に入れなければならない、ということを昨日思い出した。普段なら、通勤の通り道にあるみずほ銀行で両替するのだが、ここ数日は職場が実質的に休みに入っているので、仕事があっても家でしている。そんなわけで、普段使っているみずほ銀行に行くのは大変面倒な状況である。

そんなわけで、今回は普段使ったことのない銀行/支店で両替をしないといけないのだが、実は通勤経路の途中にある銀行以外ほとんど知らず、まずは銀行を探すことから始めなければならなかった。最初は Webでいろいろと検索してみたりもしたのだが、なんだか面倒になってきた。それで、たまたま今日別件で調布駅方面に行く用事があったので、駅前を歩いていた人を捕まえて、「このあたりに銀行はないですかね」と聞いてみた。すると、すぐ側にあった三菱東京UFJを教えてくれたので、早速行ってみた。

幸運なことに、場所はすぐに分かった。早速中に入って、入り口に立っていた行員に「新券が欲しい」と告げてみた。いつものみずほなら、「はいはい」と二つ返事で必要な手続きなりなんなりをしてくれるので、そのように事が運ぶと思っていたのだが、ちょっと違った。

行員: 「本日はキャッシュカードをお持ちでしょうか。」
僕: (三菱東京UFJの口座はないので) 「いえ、持っていません。」
行員: 「では窓口で対応させていただくことになります。」
僕: 「はい、お願いします。」
行員: 「では、こちらに記入をお願いしたいのですが。」
僕: 「見えないので代筆をお願いします。」
行員: 「案内係の者は代筆はできませんので、窓口でお願いします。」
僕: 「窓口では代筆はしていただけるんでしょうか。」
行員: 「……。今上肢に確認して参りますので、すみませんが少々お待ちいただけますか?」
僕: (だいぶむっとした様子で) 「はい。」
(しばらく待たされて)
行員: 「お待たせしてしまい申し訳ありません。上肢に確認したのですが、お名前だけはご自身の筆跡でお願いしたいということなのですが…。」
僕: (言いたいことはいろいろとあったが) 「分かりました。名前だけなら。」

とこうして、たかだか数枚の一万円札の新札を手に入れるのに 15分くらいかかってしまった。

さて、僕が言いたかったけどがまんしたことをここに書いておこう。

  1. そもそも本人確認もしない両替の手続きにおいて、僕が自分の名前を自書する意味はなに?
    両替の際に名前と電話番号を確認するのは、何か間違いがあった場合に連絡をとれるようにするためだろう。しかし、そうだとすると、連絡さえとれれば、別に本名を名乗る必要は全くないし、また本人確認をしない以上、本名であるかどうかは全く意味のないことである。自書させるというのは、一般的にはその本人がその書類を記入したことを示すことが目的であることを考えると、この状況で僕に自書させる意味がよく分からない。また、僕はたまたま自分の名前くらいは書けるが、全ての視覚障害者 (や上肢障害者) が自分の名前を書けるわけではない。もし僕が「字は全く書けません」と言ったら、おそらく両替ができなかったであろうことを考えると、ますますこの意味のない要求について疑問に感じてしまう。 (そして、どうにか読めるような僕の筆跡で記入するよりも、ちゃんと読める行員による代筆の字で書かれている方が、連絡をとる場合には明らかに有用だとも思う。)
  2. もしキャッシュカードを持っていたらどうするの?
    もしキャッシュカードを持っていれば、おそらく ATMを使って新札を引き出すことになったのだと思う。しかし、その場合暗証番号の入力はどうしたのだろうか? 多くの ATMでは、タッチパネルを用いた入力をしないといけないので、僕が自身で入力することはできない。そういう場合、だいたいは行員に暗証番号を耳打ちして入力してもらうのだが、僕の立場からすると、書類を代筆してもらうよりも、その方がよっぽど危ないように感じられる。仮に行員が信用できる人でも、隣にいた一般人がその暗唱番号を 100%聞き取れないとは言えない以上、僕の口座はより危険にさらされることになると言えるだろう。
  3. 入り口の点字ブロックは何?
    この店舗、入り口にはいわゆる点字ブロック (黄色いぼつぼつの誘導用のタイルです) があって、視覚障害者を店内に導くようになっている。こういった点字ブロックを利用するのは、単独で外出、歩行する視覚障害者で、そうでない視覚障害者は介助者とともに来店することになる、その場合は介助者が代筆することになるのだと思われ、特に問題はないだろう。しかし、このように見せの作りとしては単独の視覚障害者にも利用してもらいたいようなふりをしているのに、実際には一人では利用できない可能性がかなり高い状況というのは、偽善以外の何者でもないのではなかろうか?

時間と元気があれば、以上の疑問をその「上肢」とやらに徹底的にぶつけてやるところなのだが、今日は眠かったことと、そもそもそういう戦闘モードに入らないといけないことを全く想定していなかったので、新札を手に入れるという目的を最優先にしてしまったのだが、次回このような機会に巡り会った時には、ぜひちゃんと戦ってきたいものである。ということで、僕の独身の友人諸氏、さっさと結婚して僕を挙式に招待するように。 (笑)

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