Napster Japan
10月3日に、ナップスタージャパンがサービスを開始した。利用登録をしても 1週間以内に解約すれば料金はかからないということだったので、早速試してみた。
ナップスターのサービスの詳細については、ナップスターのホームページを見ていただくとして、僕が登録したのは、月額 1,280円で、何曲でもダウンロードできるというサービスである。ダウンロードした曲は、 Windows Media 10 DRMで保護されていて、ダウンロードした PCでのみ再生できる。しかし、最大 3台の PCからダウンロードすることが許可されているので、この点はあまり問題にはならなそうである。また、このサービスの場合にはダウンロードした曲をポータブルプレイヤーに転送することはできないのだが、幸か不幸か僕は WM10DRMに対応したプレイヤーを持っていないし、対応プレイヤーで欲しいと思えるような物がないので、これも問題にはならない。ちなみに、対応プレイヤーを持っている場合には、月額 1,980円のサービスを契約すれば、プレイヤーへの転送もできる。それから一度ダウンロードした曲については、ナップスターとの契約が続いている限り再生できるようだ。 (契約を継続しないと、曲についているライセンスが更新されず、その時点で再生できなくなるらしい。)
早速利用登録をして、専用のアプリケーションをダウンロードして使ってみた。このアプリケーションは、曲の検索やダウンロード、ダウンロードした曲やその他手持ちの音楽ファイルを管理するライブラリー機能などを提供するものである。このアプリケーションの操作性だが、僕にとっては使いやすいものではなかった。画面読み上げソフトを使っている場合、ソフトによっては全く使い物にならないと思う。そして、僕が使っている JAWSというソフトでもある程度慣れるまではとても使える代物ではないように感じられてしまった。しかし、そこをがんばってどうにか使ってみた結果、おおよそ基本的なことはできるようになった。アーティストやアルバムの情報を表示するような画面は、 Internet Explorerのコンポーネントを使って制御されているらしく、一度そこにマウスポインタを移動させれば、後は問題なく読み上げることができる。ただ、未だに自分のアカウント管理などをするためのメニューを呼び出す方法が分からなかったりはするのだが…。
さて、専用アプリケーションが使いにくいとなると、音楽の再生もだいぶ難しいのかと思ったのだが、これはそれほど心配することではなかった。確かにダウンロードせずに再生する場合は専用アプリケーションを使わなければならないのだが、一度ダウンロードしてしまったファイルの再生に関しては、 WM10DRMに対応したメディア・プレイヤーを使えば再生することができる。そこで僕は、普段から愛用している Winampを使って再生し、この問題はクリアできた。一つ注意すべき点は、専用アプリケーションの設定を変更しておかないと、全ての曲が一つのフォルダにダウンロードされてしまうので、管理が難しくなってしまう点だ。設定を変更しておけば、アーティスト毎、アルバム毎にフォルダを作ってくれるので、普通はこの設定の方が良いだろう。なお、ダウンロードされたファイルの形式は、 192kbpsの WMAのようである。
さて、品揃えに関しては、洋楽やジャズを聴くことが多い僕にとっては十分な印象だ。しかし、邦楽を中心に聴く人にはとても物足りないものだろう。洋楽やジャズに関しては、だいたい探した物が出てくるので、今のところ大きな不満はない。アーティストの名前を入れて検索してみると、全てのアルバムがそろっているようなことはあまりないものの、少なくともベスト盤くらいは提供されている。したがって、「ちょっと聴いてみたい」という場合には十分だと思う。
ちなみに、新しい物に関してもそれなりに取り扱っているようで、先日このブログでも紹介した Ray Sings Basie Swings
も、 10月の半ばには既にダウンロードできるようになっていた。 Amazon.comで注文していた CDが届いた直後の話だったので、いささか残念な気もしたのだが、 CDを持っていればロスレスのフォーマットで手元に持っておけるし、面倒な DRMの問題もないので、やはりいくら無料でダウンロードできても、本当に欲しい物は CDを買うのが良いような気がしている。これからはまずはダウンロードしてみてから買うかどうかを決められるケースが増えそうなので、誰かが良いと言っている CDをちょっと聴いてみたい、なんてときには随分重宝しそうだ。
1週間のお試し期間が終わろうとしていた頃に、一応利用を継続するかどうか考えてみたのだが、継続しない理由が特に思い当たらなかったので、結局そのまま使い続けている。 CDを 1枚買えるか買えないかくらいの月額料金で受けられるサービスだと考えれば、全く悪くないと思う。考えてもみればここ数年、あまり音楽を聴かない生活をしていたような気がするのだが、これをきっかけにまた音楽のある生活を取り戻せそうな気がしている。そして、このような形のサービスは、きっと多くの人の音楽との付き合い方を変えていくのではないかとも感じた。