夢は冒険家

投稿: 2007年5月1日

困難な状況にいても、重い障害を持っていても、何かやりたいと思う事があって、その事に意義を見いだすことができれば、仮にそれが自分の能力を超えた何かであっても、いずれ実現できる。僕はそう信じて生きてきたしこれからもそう信じて生きていくだろう。したがって、やりたいと思ったこともないようなことは、きっと決してできるようにはならない、これもまた真実だと思う。やりたくないからやりたいと思わない、これはきわめて自然なことだから良いのだが、やれると思わないからやりたいと思わない、これはきわめて不健全であるような気がする。そんなことに改めて気づかせてくれるきっかけをくれた記事がある。

共同伝の報道が、産経のニュースサイト iza!に掲載されている。
全盲の英冒険家、超軽量小型機で地球半周を達成
記事によれば、イギリス人の全盲の冒険家、マイルズ・ヒルトンバーバー氏 (58) は、 3月 7日にロンドンを出発して、およそ 20カ国に立ち寄ってシドニーを目指し、 4月 30日にシドニーに到着したそうだ。

まず最初に感じた疑問は、 (言うまでもなく) 「そもそもどうやって操縦するの?」という点だ。記事にはこうある。

小型機には速度や高度などの情報を音声に転換する特別の装置を取り付け、周囲の監視や交信のため、副操縦士が同乗した。

なるほど。確かに計器類が音声化されていれば、少なくとも上空での操縦はできるのかもしれないけれど、離着陸、特に着陸はどうするのだろう。これが次に感じた僕の疑問だ。それで Googleで検索してみたところ、 BBC Newsの記事を見つけた。そこには以下のように書かれている。

By law a sighted co-pilot has to accompany him and take over the controls in rough landings and emergencies.

そりゃあそうだろう。しかし、 roughじゃない landingの時はどうなんだろう。それに、 by law ということは、イギリスでは定められた基準に従えば、全盲でも相応のライセンスを取得できるということなのか? と思ったのだが、調べてみると、どうやら日本においても超軽量機の場合にはライセンスはいらないらしい。

最近僕の同僚になった人の一人は、プライベートで使う名刺には「冒険家」と記している。これをちょっと羨ましいと感じたのだが、これは僕にはなかなか難しいなあ、などと感じたものだ。しかし、Googleで検索した時に発見したMiles Hilton-Barber氏のホームページに出ている氏の肩書きの一つは、 ``adventurer''である。そうか、僕も冒険家になれるかもしれない。僕が彼の年齢になるまでには、まだ十分な時間もあるのだし。

``The limit is within yourself'' こんな言葉を聞いたことがある。 Hilton-Barber氏の話を聞いて、まさに僕は自分自身で自分の行動、自分の夢、そして自分の能力を制限してきたことに気づかされてしまった。明確な目標さえあれば、能力は後からついてくる、それは経験的に知っていたつもりだった。でも、いつしか自分の能力に合わせた目標設定しかしないようになっていたのかもしれない。

ちょっと冒険家を目指してみようか。いや、まずはその前に冒険に耐えうる体作り、そのためのダイエットからかな。 (笑)