産経の「大分析」

投稿: 2007年7月28日

産経のニュースサイト、イザ! に掲載されている「自民・丸川氏は当落線上?!激戦選挙区を大分析」という記事、「大分析」という割に大した分析でもないなというのが正直な印象だ。ただ、そんなことよりも気になったことが一つある。この記事、いくつかの選挙区について、「大分析」を繰り広げた後、唐突に自民の議員二人のコメントを紹介して記事を結んでいる。

そもそも、このコメントがなくてもこの記事は成り立つのではないかという疑問もあるのだが、このように一つの政党に属する議員のコメントのみを紹介するというのはどうなのか、という疑問もある。公職選挙法の規定で、ブログの内容ですら公正さが求められているらしいというのに、全国紙がこんなことで大丈夫なのだろうか。もっとも、新聞の場合は「報道」の名を借りれば事実を書いている限り、偏ったことを書いても良いようなのではあるが、イザ! は新聞社によって運営されているけれど、厳密には新聞ではないのではなかろうか?

そんなことを考えていたら、社会科を教えていた先生が、昔 (20年くらい前) に「産経なんか自民党の機関誌みたいなもんだから」と揶揄していたのを思い出した。この先生、たぶん当時自民党を支持していたのだと思うのだが、マスコミが公正な報道をすることの必要性については折に触れて語っていたように記憶している。

各紙の報道によれば、多くの政党は今回の参議院選挙公示後もホームページの更新を続けていて、ネット選挙がなし崩し的に解禁になったような形だということだ。ひょっとすると産経も、自民に同調しているだけなのだろうか。僕には、「大分析」と称して読者の関心を引き、実際には自民のキャンペーンをしているだけのせこい記事のように感じられた。産経が自民に勝たせたいのはこんな「大分析」を読まなくてもコラムなどから明らかなのだが、こんなせこいキャンペーンが必要なくらい、状況が厳しいのだろうか。ともあれ、何とも不思議な感じがする記事である。

ちなみに僕は、すでに期日前投票を済ませてあるので、誰が何を書いたり言ったりしてももうどうしようもない。だから別に産経や朝日や赤旗や政教新聞が何を書いても知ったことではないのである。