ネット規制法案に反対します -- 社会の多様性を奪うな --
最近インターネット上のコンテンツのフィルタリングに関する話題をしばしば目にします。そして、フィルタリングを法律によって義務化する動きも加速しているようです。しかし、この動きは今や多くの人の生活において欠くことができない存在となっているインターネットを事実上無価値なものとしてしまうものとなり得ます。特に、昨今自由民主党で検討が進められている「青少年の健全な育成のためのインターネットの利用による青少年有害情報の閲覧の防止等に関する法律案」が成立した場合の影響は計り知れないものとなるでしょう。また、民主党でも同様の法案の検討が進められているようであり、このような法律が制定されてしまう可能性は高いようです。
インターネットは、私たちに新たな情報発信の手段をもたらしました。また、私たちの情報の受け取り方や情報との接し方、そして受け取ることのできる情報に多様性をもたらしました。このことは、私のような視覚障害者を含むいわゆる情報弱者の生活を一変させ、彼らの社会参加の機会の増大に結びついています。私は、成熟した社会とは多様性があり、それを受け入れることのできる社会だと考えます。インターネットに対する規制は、インターネットを無価値なものにするだけでなく、社会の多様性をも奪う結果になることは明白です。このような観点からも、私はこのような規制に断固として反対します。
また、もう一つ気になることがあります。本来は青少年の携帯電話によるアクセスに対するフィルタリングの必要性から始まっているはずの議論であるにもかかわらず、規制の対象がインターネット全体となっていることです。議論の進め方として大変乱暴な印象を受けます。こういった議論の進め方が他のあらゆる事柄についても行われる可能性を持つ政治にも大きな不安と不満を感じます。
なお、この件に関する声明がいくつか出ていますので以下にリンクします。また、このことに関しては以下にリンクする GIGAZINEの記事がよくまとまっており、より詳しい記事へのリンクも多く掲載していますのでぜひお読みください。