君はいったいどこの人?

投稿: 2009年1月10日

先日、名古屋地方出身の研究室の学生が、「台湾ラーメン」なるカップ麺をお土産でくれた。噂に聞いたことはあるのだけど、これ、食べたことがなかったので、早速作って食べてみた。すると、カップ麺としてはかなり辛い味付けになっていて、辛い物好きの僕には非常においしい一品だった。以前初めて辛ラーメンを食べた時も、「これはうまい」と思ったものだが、この台湾ラーメンは辛ラーメンよりもおいしいように思う。

で、この「台湾ラーメン」、ちょっと調べてみると「名古屋発祥」とか、「名古屋名物」とかいう文字がたくさん見られた。台湾発祥ではないのに台湾ラーメンというのは、日本語がぺらぺらの白人が、「私は根っからのインド人なんです」と言っているくらい意味不明な印象だ。

というのを書いて、時々友人諸氏には話す話なのだけど、以前のこんな経験を思い出した。それは、ある学会か何かで、カナダのトロントに行った時のことだ。その学会だかなんだかのレセプションに参加していたのだけど、そこにはなぜか寿司を握ってくれるカウンターがあった。一緒にいた日本人とわいわい言いながらそこに行って何を握ってもらおうかと話していたら、カウンターの向こう側にいた比較的若い感じの男性が、「おすすめはサーモンですよ」と教えてくれた。どことなく外国人っぽいアクセントだったものの、比較的流ちょうに話せそうな感じだった。「じゃあサーモンお願いします」と試しに日本語で頼んでみると、「皆さん日本からですか?」と、ちょっとした世間話が始まった。やはり外国人だと分かる話し方ではあるものの、海外で出会う外国人としては非常に上手な日本語だった。そこで「日本語うまいですねえ」と言ってみると「日本人のお店で修行したから」という答えが返ってきた。「元々はどこの国の方なんですか?」と聞くと、インド人だと言う。「そうですか、じゃぁインドから日本に来て修行したんですね」と聞くと、「いや、修行したのはバーレーンでした」という答えが返ってきた。そしてそのバーレーン仕込みの日本語が上手なインド人寿司職人がカナダで日本人相手に握ってくれた、確かにおいしいサーモンの握りを食べながら、何とも不思議な気分になったものだ。

という話はさておいて、台湾ラーメンだが、ちょっと調べてみると中京地方では毛結構よく見るメニューらしい。僕が中京地方に関係が深かった頃にはそんなものはなかったと思うので、定着したのはそんなに昔の話ではないのだろう。さらに調べると、このナショナリティ不明なラーメンは、どうやら名古屋にある台湾料理店の台湾人店主が最初に作って出したことから、子の名前がついたらしい。名前の付け方が乱暴な気がしなくもないけど、一つの店のメニューがその適当 (と言うと怒られそうだが) な名前とともに普及したというのだからすごいものである。

今回お土産でもらったものは、中京地方で暮らしたことがある人ならきっとほとんどの人が知っている寿がきや (すがきや) のカップ麺だった。寿がきやと言えば、スーパーなんかの飲食コーナーのラーメン店という印象が強い (あの地方に住んだことなければ強いも何も印象はないと思うけど) が、僕の中ではインスタントのみそ煮込うどんの印象が強い。これもきっとあの地方に暮らしたことがある人の多くが口にしたことがあるものなのではないだろうか。

そういえば、以前家電Watchの記事で寿がきやの商品を楽天市場で買える、というのを読んだのを思い出したので、早速調べてみた。すると、確かに寿がきやは楽天に出店していて、ここでいろいろと売られている。最初は台湾ラーメンの値段を見てみようと思ってアクセスしてみたのだけれど、気づくと台湾ラーメンに加えてみそ煮込うどんまでカートに入れて、購入手続きが終わっていた。送料無料特典恐るべし。

ともあれ、辛いものが好きな人には自信を持ってお勧めできるラーメンです。辛い物が苦手な人は、きっとひどい目に遭うと思うので、近寄らない方が良いでしょう。