Thunderbirdで日時指定送信 -- Send Later 3を試す --

投稿: 2010年8月24日

日々送信するメールの中には、いろいろな事情で、もう書き終わっているけど今はまだ送信したくない、というメールも少なからずある。僕が直面する一番多いそういう場面は、送り先のアドレスが携帯電話のもので、かつその人が特定時間帯 (主に夜中) の緊急性のないメールの受信を快く思わない、という場合だ。

変わってきているメールの使われ方

正直に言うと、メールなんてものは送信者が都合がいい時に送信して、受信者も都合がいい時に受信して読めばいい、だから相手が携帯電話で受けているかどうか、今が何時か、なんてことは一切気にせずにメールしたい、そんな風に思っているし、それが本来の姿だとも思う。しかし、PC (やその他のコンピュータ) がメールを受信する主な端末だった時代と今とでは事情が違うのも事実だ。僕自身のメールの使い方を考えても、緊急性が高い可能性があったり、僕の個人アドレス宛のメールは携帯電話にも転送していて、そういうメールが来る度にいちいち携帯電話がぶるぶるっと鳴る。我が家では、寝室にしている部屋とは違う所で携帯電話を充電しているので別に困らないのだが、たとえば帰省の折など、夜中に余計な音を立てて同じ部屋にいる者の眠りを妨げたくない、などという場合もある。受信側でできる対策もいろいろとあるだろうが、やはり緊急性が高いメールを確実に読みたいというニーズがある場合には、きっと完璧な解決策というのはないのだろう。であれば、送信者側でも、ある程度は受信者に気を遣うことも必要だろうし、僕も負担にならない範囲でそうしたいと思うのだ。

簡単な対策

さて、それでこういう場合にできる一番簡単な方法は、言うまでもなく、送りたくない時、送るべきでない時にはメールを書かない、送らない、という方法だ。が、この方法の最大の問題点は、結果としてそのメールを書いて送信することそのものを完全に忘れてしまうリスクがあることだ。 (実際何度そういうミスをしたことか!)

僕の場合、PC上でのメールの処理には、Thunderbirdを使うことが多い。Thunderbirdの場合、「後で送信」という機能があって、こういう状況における対策の一つとなり得る。しかし、これは単に書き終わったメールを送信待ちのフォルダー (英語UIではOutboxという名前) に入れるだけで、後で未送信メールを送信する操作をしてやらないと、実際には「後で送信」はされない。つまり、この機能は正確には「送信を先送りする」というものだ。また、この操作をした場合、このフォルダーに入っているメール全てが一度に送信されるので、違うタイミングで送信したい複数のメールがある場合には、この方法は使えない。そして、最初の方法ほどではないにしても、「忘れる」というリスクは存在する。

Send Later 3

それでちょっと調べてみたところ、Send Later 3というアドオンを見つけた。このアドオンをインストールすると、メール作成後に「後で送信」を実行する (キーボードではCTRL+Shift+Enterで実行可能) と、送信のタイミングを指定する画面が出てくるようになる。この画面で、具体的に好きな日時を指定して「Send Later at specified time」というボタンを押しても良いし、「15 mins later」、「30 mins later」、「2 hours later」というボタンを押しても良い。 (ボタンのラベルは英語UIの場合) そうすると、そのメールはドラフト (送稿) の保存フォルダーに保存される。なお、これらのボタンについては、設定画面で好きな分数後のボタンに変えることができ、かつこれらのボタンをツールバーに表示するようにもできるようだ。また、「Passthrough to Send Later」というボタンを押せば、従来の「後で送信」と同様の動作、すなわちOutboxフォルダーへの保存となる。

こうして保存されたメールがあるドラフト・フォルダーを開いてみると、メールの一覧の所には、実際にメールを保存した時刻と、送信予定の時刻が表示されている。また、各メッセージのヘッダー部分には、X-Send-Later-At: というフィールドが追加されていて、そこに送信予定日時が記載されている。

このアドオンでは、どうやら定期的 (デフォルトでは1分ごと) にドラフト・フォルダーにこのようにして保存されたメールがないかどうかを確認しているようだ。そして、その時点で指定された送信日時を迎えているメールが、自動的に送信されるようになっているらしい。したがって、当然Thunderbirdが起動している状態でなければ、これらのメールは送信されない。試しに、このように保存されたメールがある状態でThunderbirdを終了してしばらく放置してみたところ、次にThunderbirdが起動された時、その時点で指定送信日時を過ぎているメールは自動的に送信されるようになっているようだった。

送信メールの送信タイムスタンプ

Send Later 3で送信したメールの送信日時だが、実際に送信が実行された時のものになるようだ。一方、Outboxに入れたメールを後で送信した場合は、Outboxに入れた日時が送信メールの送信日時としてDate: フィールドに記載されるようになっている。どちらが良いとか悪いとかいうことはないと思うが、状況によってはタイムスタンプにも気を遣う必要もあるかもしれないので、そういう場合には注意しておきたい違いだろう。

もう少し便利になれば...

実際にSend Later 3を使って何通かメールを送信してみたが、これなら大きな負担にならずに、冒頭で触れたような状況にも対応できると感じた。が、たとえば登録しておいたアドレスに対しては、自動的にSend Later 3を使った送信になるようにする、などということができると完璧だと思う。こういったことは、他のアドオンと組み合わせればできたりするのかもしれないので、気が向いたらまた調べてみようかと思っているが、とりあえずはこれで少しはメールの返信忘れを減らすことができそうだ。