JRE7 Update 6以降のJava Access Bridge
Javaで書かれたアプリケーションやJavaアプレットを、Windows上でスクリーン・リーダーと一緒に使う場合、Java Access Bridgeという追加コンポーネントを利用する必要がある。これを利用できるようにする手順が、知らないうちに変わっていたのでメモ。
Java Access Bridgeは、すごく簡単に言えば、Javaの実行環境とスクリーン・リーダーの間を橋渡しするような役割のAPIを提供するもの。これがないと、スクリーン・リーダーはJavaアプリケーションのタイトルバーくらいしか読んでくれなくて話にならない。
随分前から開発元 (当初はSun、最近はOracle) から提供されていたものの、JRE (Java実行環境) には含まれていなかったために、JREのアップデートがある度にインストールする必要があった。そしていつもそのパッケージがどこにあるのかよく分からなくなるので、こんなメモを残していたくらいだ。
ただ、ここ最近はJavaの必要性がなかったために、アップデートもしていなかったし、ブラウザーのJavaプラグインも無効にしていたので、これから書くような変更があったのを全然知らなかった。
わけあってJREが必要になったので、まず古いJREを総てアンインストールした上で、最新版のJREをインストールした。続いてAccess Bridgeもインストールしようと思ったのだけど、上記のリンクはSunのサイトのページへのリンクで、しかも4年以上も前のメモなので当てにならないと思って、Oracleのページで情報を探してみた。
それで見つけたAccess Bridgeに関するページにあったファイルをダウンロードしてきて、そこにあった説明通りにインストールをしようとしたのだけど......。
インストール手順にあったようにファイルをコピーしようとしたら、既に同じ名前のファイルが存在するという警告が出た。いくつか試してみてもどのファイルでも同様の警告...。どうもJREをインストールすると、Java Access Bridgeの関連ファイルもインストールされるようになっているらしい。
ではもう新たにJava Access Bridgeをインストールする必要はないということなのだろうか、と思って、JAWSが正しくJavaアプリケーションを読み上げるかどうかを試してみた。
このテストをするのに一番手っ取り早い方法は、コントロール・パネルからJavaの設定画面を開いてみるという方法だ。Java Access Bridgeが正しく動作していて、スクリーン・リーダーが正しくJREとやり取りできていれば、この画面のタブの名前や設定項目を読み上げてくれる。反対にAccess Bridgeなりスクリーン・リーダーなりが正しく動作していないと、設定画面のタイトルだけを読み上げて、他には何も読んでくれない。
早速Javaの設定画面を開いてみたのだけど、どうもちゃんと動作していないらしいことが分かった。つまりみごとに何も読んでくれないのだ。
それで、ちょっと検索してみたら出てきたのが、JRE 7 Update 6 Now Comes Bundled with the Java Access Bridgeというページ。
やはり最近のJRE (JRE7 Update 6以降) にはJava Access Bridgeが同梱されていて、JREをインストールすると必要なファイルもインストールされるのだけど、インストールしただけではJava Access Bridgeは有効にならないということだ。
上記のページで紹介されていた以下の手順で、Java Access Bridgeを有効にすることができた。
コマンド・プロンプトを起動
JREのインストール・ディレクトリーのbinに移動:
cd "C:\Program Files\Java\jre7\bin"
以下を実行:
jabswitch -enable
今回試した環境はWindows XPだったのでこの方法をとったが、Windows Vista以降ならば、コンピューターの簡単操作センター (とかなんとかそういう名前のやつ) からも、この設定の変更ができる。 (Win+Uを押して出て来るやつ。) また、JREの設定ファイルを変更する方法も紹介されている。
もしかすると、JREの更新の度にこの設定をしないといけないのかもしれないけど、少なくともAccess Bridgeのインストールそのものはしなくてよくなったわけで、これはありがたい。