Visual Studio Codeが思いの外良い

投稿: 2020年1月18日

Windows上で、スクリーン・リーダーで使いやすいテキスト・エディター、というのは、もうほんとに20年くらい前からずっと存在する、答えのない問題のようになっている感じがする。 そんな中、仕事上の必要からvisual Studio Code (VSCode) を使ってみたらかなり良かったという話。

とりあえずアクセシブル

Windows上で理想のテキスト・エディターになかなか出会えない理由は、スクリーン・リーダーで使いやすいものが皆無だからだ。 特に高機能、多機能なもだとその傾向は強い。

ところが、vSCodeはスクリーン・リーダーのことを意識して作られている。 設定画面で2screen reader" と入れてみると、 editor.accessibilitySupport という項目が出てきて、手元ではデフォルトは auto になっている。 つまり、スクリーン・リーダーが動作していることを検知すると、自動的にスクリーン・リーダーに最適化された設定で動作するようになっている。

Electronベースだけど

それから、これはたぶん初めて起動した時にそういうヘルプが表示された (読み上げられた) かなにかで知ったのだけど、デフォルトではcTRL+Mというショートカットキーがあって、これを押すとタブキーの挙動を変えられるようになっている。 具体的には、普通にエディター画面でタブキーを押してタブが入力されるモードと、次のフォーカス可能な項目へ移動するモードが切り替えられる。

VSCodeはElectronで書かれているので、操作感としてはWebブラウザー上と同じ感じだ。 なので、普通ならばエディター領域ではタブを入力できなくなりそうだし、逆にタブを入力できるようにするとエディター領域からタブキーを使って出ることができずNVDAでいえば一度ブラウズ・モードに切り替えて操作するしかなくなってしまうと思うが、この機能のおかげでフォーカス・モードで使い続けることができる。

Webブラウザー上で実装されているアプリケーションにしてもElectronベースのアプリケーションにしても、丁寧に作らないとスクリーン・リーダーではブラウズ・モードとフォーカス・モードを頻繁に切り替えながら使うはめになって、ネイティブ・アプリケーションに比べるとかなり使い勝手が悪くなってしまう傾向があると思うが、VSCodeに関してはそういうストレスを感じることはまずない。

たしか随分前に試した時には、VSCodeを起動するとまずNVDAはブラウズ・モードに切り替わっていた (NVDAの設定にもよると思うけど) けど、今はそういうこともなくなっている。 ちょっと調べてみると、NVDA 2019.2でそういう変更が入ったらしい。

そしてこれはElectronベースのアプリケーションの利点と言えそうな気がしてるんだけど、必要があればブラウズ・モードに切り替えてNVDAの画面内検索を使って、画面全体を対象にした検索ができる。 これができると、普通にフォーカスできないようなオブジェクトも簡単に見つけられて便利だ。

とりあえずCTRL+M知ってれば大丈夫

VSCodeは、基本的にはプログラミングをすることに特化した高機能エディターといった位置づけだと思うけど、充分に軽いし、単にテキストを書くだけでも結構使える気がしている。

Electronベースうのものはあまり慣れていないNVDAのユーザーにはハードルが高い場合もある気がしてるけど、とりあえずCTRL+Mだけ知ってれば、Electronベースであるかどうかなんてほとんど意識せずに普通のアプリケーションとして使えるのではないかと思うので、無責任にお勧めしておきたい。