Blutooth体温計を買ってみた
Twitterで見かけたBluetooth体温計を買って試してみた。
ずっと気になっていた、iPhoneにデータを送信できるBluetooth体温計を買ってみた。ワンボタンで使いやすいし、測定値はvoiceoverで読み上げられるから視覚障害者には凄く便利❣️
— 尚輝ルーカ (@naokiluca) 2020年2月1日
A&D Bluetooth内蔵 体温計 UT-201BLE https://t.co/N8giUfPjyh #Amazon #視覚障害者 #視覚障害
視覚障害者が使える体温計は少ない
まず簡単に背景。
検温結果の表示を確認できない全盲の視覚障害者が使える体温計は少ない。 かつては、検温結果を音声で教えてくれるものを探すしかなく、そういう製品はほとんどなかった。
たぶん以前も今もOMRONが1製品作ってくれていると思うのだけど、他にそういう製品があるのか僕は知らない。 今簡単に検索してみたところ、やはりOMRONがMC-174V けんおんくんという製品を発売していて、視覚障害者向けの製品を販売しているところで取り扱っているのもこの製品らしい。
ちなみに販売価格は9,000円くらいらしい。 普通の体温計に比べるとだいぶ高い。
我が家にもこの旧モデルであろうと思われる体温計があるのだけど、いわゆる実測式の体温計なので、検温に5分以上かかってしまうという何店がある。 そして、この点は今発売されているモデルでも同じらしい。
一方最近は、耳で測るものとか、額やこめかみにかざすだけで短時間で検温できる体温計なんてのがあって、こういうのが使えたら便利だろうなとずっと思っていた。 もし検温結果をBluetoothでスマートフォンに転送できるような製品が増えてくれば、中にはこういう方式のもので僕たちにも使えるものが出てくるのではなかろうかとずっと期待していた。
そういう状況の中、冒頭のツイートが目にとまった。
ということでBluetooth体温計
ということで、冒頭のツイートにあったA&Dの「UT-201BLE」について調べてみた。
残念ながら耳式やかざすタイプではなく、脇の下で測るタイプだが、予測検温なら20秒程度で検温できるらしい。 (より正確な実測検温なら10分くらいらしい。) 価格は6,500円くらいで、音声体温計ほどではないにしても、高い。 が、20秒で検温できるのは魅力的なので、買ってみた。
形状としては一般的な電子体温計を少し大きくしたような感じ。 そして検温センサーとは逆の端にボタンが1つある。
Bluetooth接続をせずに普通の体温計として使う場合は、このボタンを「ぴっ」というビープ音がするまで押してから、普通に検温する。 20秒ほどで音階がある連続したビープ音がして予測検温が完了する。 試してはいないが、このままずっと脇の下に挟み続けていれば実測検温がされるものと思われる。
Bluetooth接続を試す
それで本題のBluetooth接続だが、これにはスマートフォンに専用のアプリをインストールする必要がある。
とりあえずiOS版を使って試してみた。
起動すると、通知の許可や使用条件への同意が求められる。 続いて登録する機器の選択画面になるので、「体温計」の所にある「UT-201BLE」をタップする。 するとペアリング待ちの画面になる。
この状態で体温計をペアリング状態にする。
まず1度ボタンを押して電源を入れる。 続いて、再度ボタンを押すとペアリング・モードになるのだが、この時ボタンを長く押しすぎると長いビープ音がして電源が切れてしまうようなので注意が必要だ。
体温計がペアリング・モードになると、アプリの方でペアリングを確認するダイアログが表示されるので、ペアリングを完了させる。 ペアリングが完了するとダッシュボード画面が表示されて設定完了だ。
ダッシュボードが表示されている状態で検温すると、検温終了後にデータが転送され、結果が表示される。
検温結果の確認も含め、ここまでの操作は特に問題なくVoiceOverで行える。
同じことをAndroid版でも試してみたのだが、ペアリング待ちの画面から先に進むことができず、ペアリングができなかったので、こちらの使い勝手についてはよく分からない。
専用アプリのアクセシビリティー
さて、このiOS版のA&Dコネクトのアクセシビリティーについても少し触れておこう。
前述の通り、体温計の初回ペアリングと検温結果の確認についてはVoiceOverで問題なく行える。 ただ、VoiceOverを意識して作られたアプリではないようで、その他の操作にはかなり難がある。
まず、(たぶん)画面左上にメニューを表示するボタンがあるのだが、これにはラベルが付いていない。 そして、このボタンを押して表示されるメニューはVoiceOverでは全く確認できない。
スクリーンショットをOCRアプリで確認したりしてみた感じでは、アプリの設定、リマインダーの設定などができるらしい。 これらのメニュー項目をVoiceOverをオフにしたうえで押してみると、それぞれの画面が出てきて、これらの画面についてはVoiceOverでも操作できそうな印象だ。
ということで、体温計を使うだけなら問題なさそうなものの、アプリの機能を使いこなそうと思うとちょっと苦しい感じだ。
どうやら同じメーカーから体重計、血圧計、活動量計も出ているらしいが、これらも登録して同時に使う場合の使い勝手などには不安が残るといった印象だ。 特に、最初にペアリングする場合に、その画面を表示するのに一苦労しそうだ。
完璧ではないが……
というわけで決して完璧ではないし、アプリのバージョンアップで使えなくなるリスクも考えておく必要もありそうなので、すべての視覚障害者にお勧めできる製品ではないが、少なくとも現状では充分に使える製品といえそうだ。
と、これを書いていたらこんなツイートも流れてきた:
BT接続で検温結果がVoiceOverで確認できる体温計を使ってみた。
— 辻勝利 (@KatsutoshiTsuji) 2020年2月4日
体温計:, 2020/02/05 3:47, 36.6, °C
最後の「°C」が僕には「寂しい」に聞こえてしまうけど、このデバイスは素敵だ☺️
辻さんも買ったらしい。
辻さんが言っている「寂しい」は、最後の「度C」をVoiceOverが「たびしー」と読むのがそう聞こえてしまうという話で、僕にもそう聞こえる。