2019年分確定申告ではまった点

投稿: 2020年3月4日

確定申告の時期、特に個人事業主の皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。 僕はもともとの締切に備えてほぼ準備ができていますが、支払い調書の記載内容を一部確認しないといけない状況で止まっています。 が、今年は締切が延長されたので、すっかり安心しきっています。

というのはさておき、今年の確定申告準備を進めるに当たってはまった (でも解決した) 点をまとめておきます。

僕の確定申告

僕の確定申告の概要はだいたいこんな感じだ。

  • 申告は個人事業主の青色申告
  • 個人事業として得ている収入 (事業所得) の申告
  • 給与所得の申告
  • FXなどの所得の申告
  • 個人事業関連はfreeeで管理

本来であれば、freee上で給与所得などについても入力して完結させられると良いのだが、残念ながら現時点のfreeeにはアクセシビリティー的な問題があって、実際の申告書の作成は国税庁のサイトで行っている。 ちなみにfreeeのアクセシビリティーはここ2年くらいでだいぶ改善されているのだけど、最後にできあがった書類の内容を確認する部分に問題があるので、まだfreeeだけで完結させられる状況ではないというのが僕の判断だ。

また、freeeを使うにしても国税庁のサイトを使うにしても、本当はe-Taxで終わらせたいところなのだけど、僕はマイナンバー・カードを持っていないし作るつもりも (今のところ) ないので、最終的には紙を税務署に提出している。 実は以前住基カードだった時代には何度がe-Taxで申告したことがあるのだが、住基カードに乗っている証明書の有効期限が切れてしまい、これを更新したければマイナンバー・カードを作らないといけないと言われて紙の提出に戻したという経緯がある。

今回はまったポイント

今回はまりかけたのは以下の3点:

  • freeeで同期しているAmazonの履歴の数値が合わない
  • 国税庁のサイトで、青色申告用の決算書の作成が途中でエラーになる
  • 貸借対照表の数値が合わない

以下、詳述する。

Amazonの利用履歴の問題

※以下のAmazonの話は、Amazonビジネスではなく、個人が普通に使っているAmazonの話です。

freeeにはAmazonの利用履歴を取り込んで、取引として登録する機能がある。 freee上では、Amazonという口座があって、そこに利用履歴を取り込む形になる。

Amazonでなにか買うと、この口座の残高が減る。 そしてfreeeに登録してあるクレジットカートでAmazonへの支払いがあった場合には、このクレジットカードの口座からAmazonの口座への振替があったという記録を追加してやり、Amazonの口座の残高が増える。 したがって、Amazonでの購入分について適切に記録し、クレジットカードですべて支払いが完了し、その引き落としの記録がfreee上に正しく記録されていれば、この口座の残高は0になるはずだ。

僕は、毎年確定申告の準備の際に、Amazonの口座も含めてすべての口座の数値が正しいことを確認するようにしている。

Amazonの口座の場合、まだクレジットカートの請求が確定していない分もあるので、だいたいマイナスの値になっている。 そこで、クレジットカードの未確定分の請求について確認し、ここに上がってきているAmazonへの支払い分の合計額を計算し、これがAmazon口座の残高と一致していれば問題なしということになる。

が、これが一致しない。

去年もあったAmazonの問題

実はAmazonについては去年も同じ問題に遭遇した。 去年の場合は、freeeがAmazonの利用履歴を取得した後にキャンセルになった注文分が反映されていなくて、実際よりも多く使ったことになっていたのが原因だった。

これが発生した理由はこうだ:

  • 毎月初め頃に、その月の定期お得便で購入予定になっているものの請求がAmazonの注文履歴に登場する
  • freeeがこれを取得
  • その後明示的に一部商品の注文をキャンセルしたり、欠品だったりの理由でキャンセルが発生することもあって、実際に配送される商品が確定する
  • その時点でキャンセルされた注文分の請求が注文履歴から消えるが、freeeにはこれが反映されない

そこで、実際にキャンセルされたのに反映されていない注文を特定して、freee上でこれを「無視」するという処理をして、残高の不一致を解消した。

これを受けて、今年は今後キャンセルされる注文がない状態のタイミングを見計らってfreee上でAmazonの利用履歴を取得するようにした。 なので、今年はこの問題は発生していない。

今年発生した問題

では今年はなぜ残高が一致しなかったのか。 以下の2つが原因だった。

  • Kindle書籍購入時のポイント利用分が適切に反映されていなかった
  • Amazon Music利用分のクレジットカード利用履歴を、他のAmazonへの支払い同様に処理していた

問題の特定方法

前述のような仕組みなので、Amazonの口座残高の推移は基本的に0円前後でうろうろしているはずだ。 ところが、一致しないということは、これがどんどん0から離れていっているはずだ。

そこで、freeeの口座ごとの「現預金レポート」を表示して、残高の推移を確認してやる。 そうすると、どこかのタイミングで、明らかにすべての支払いが登録されているのに残高が0にならない状態が見つかる。

この時の残高の値と、この前後の取引年月日を参考にすれば、どうにか問題は特定できる。

Kindle書籍の購入の問題

Kindle書籍を購入する場合、その時点でAmazonポイントが1ポイントでもあると、強制的にこのポイントが充当される。 もしその書籍の価格よりAmazonポイントの残高が多いと、全額がAmazonポイントで支払われ、実際の支払額は0円になる。 もしAmazonポイントの残高が書籍価格に満たない場合は、足らない分がクレジットカードに請求される。

ところが、実際の支払い価格がどうであれ、Amazonの注文履歴の一覧には、書籍の価格が表示される。 注文の詳細を表示すると、Amazonポイントでいくら払ってクレジットカードでいくら払ったのかというのは分かるのだが、一覧を見ただけでは全額クレジットカードで払ったような印象になってしまう。 そしてfreeeが取得しているのはこの一覧の部分だけのようで、freeeに取り込まれる履歴は書籍価格になってしまう。

これに気づかずにfreee上でこれらの履歴から「新聞図書費」の支出を登録してしまうと、実際に払ったよりも多い額が計上されてしまって、確定申告の決算書の数値も不正確になってしまう。 そしてAmazon口座の残高も実際とは一致しない値になってしまう。

これの解決方法だが、これが正しいやり方なのかどうか確信は持てないのだが、ポイントで支払ったヶ学がAmazonの口座に「新聞図書費」として入金された、という取引を作成した。 とりあえずこれで実体と合った状態にはなったはずだ。

Amazon Musicの利用料の問題

これだけやって再度確認してみても、まだ残高がおかしい。 そこでさらに現預金レポートの残高推移を確認すると、あるタイミングから月に780円ずつ増えていっていることが分かった。

780円の取引はないか探してみると、Amazonの利用履歴には見当たらないものの、クレジットカードの利用履歴には毎月この額の取引があった。 その発生タイミングなどから、これがAmazon Musicの利用料であることが推測できた。

僕の場合は、Amazon Musicの利用料は事業には関係ないので、事業主勘定に入れてやる必要があるわけだが、これを他のAmazonへの支払い同様、Amazon口座への振替として自動登録してしまっていたのが原因だった。

そこで、これらの取引を「事業主貸」に変更したところ、残高の不一致は改善された。

決算書作成時のエラー

こうして事業に関する取引に問題がない状態にした後で、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で申告書の作成作業を始める。

まず、事業関連の決算書の作成をするわけだが、これは基本的にfreeeの損益レポートから数値を転記してやれば済むはずだ。

ところが、今年はこの決算書の作成を完了させようとすると、以下のようなエラーが出て次に進めない状態になってしまった:

KS-E10003・入力途中の帳票(青色申告決算書(一般用)の内容の確認が終了していません。内容の確認を行った後再度操作を行なってください

ちょっと検索してみると、以下の2つの情報が出てきた:

  1. 全年のデータを読み込んで作成した場合、自動読み込みされた項目に未確認のものかあるとこのエラーが出る。すべての項目を1度開いて確認すれば解消する。
  2. 固定資産台帳に償却済み資産があるとこのエラーが出る。当該資産を削除すれば解消する。

確かに全年のデータを読み込んで作成しているので、まず1について試してみたが、改善されなかった。

そこで2の可能性だが、確かに償却が済んでいる資産があるのでこれが問題のように思う。 ただ、償却が済んでいても除却していなければ消すわけにはいかないはずだ。

そこで当該資産の詳細を見てみると、「本年中の償却期間」という欄が空白になっていた。 これを「0」にしてみたところ、エラーが解消した。

貸借対照表の問題

そして貸借対照表の問題だが、期首の現金残高がおかしなことになっていた。 freeeの「試算表」で表示される貸借対照表のそれと、全年のデータに基づいて国税庁のサイトで自動入力されたものとが一致しないのだ。

その差額が800円だったので、とりあえずfreee上で800円の取引を検索してみた。 すると、2018年の2月28日に、交通費として800円の支出が見つかった。 が、備考欄にかつて自分が入力した内容から、実はこれは2019年2月28日に発生したものではないかという疑いが濃くなったので、手元の記録と照合してみたところ、やはりそうだった。 ということで、この日付を修正したところ、この問題は解消した。

なおこの取引登録自体は、昨年の確定申告をした後に行ったものだったので、昨年の申告には影響していない。

おまけ: 先物取引に係る雑所得等の全年までの損失の繰り越し

これははまったというわけではなく、ちょっと迷ったという話。

fxとかcFDとかの取引で所得があると、「先物取引に係る雑所得等」というのを申告することになる。 で、この区分になる取引で損失を出した場合、翌年以降にその損失を繰り越して、その年の利益と合算して所得額を下げることができる。

僕は、確か2017年にそこそこの赤字を出して、2018年は利益が少なかったので、2019年 (今回申告分) に繰り越せる額が少しだけ残っていた。 昨年の申告データを使って申告書の作成を始めたので、この値は入力済みで、特に意識しなくて良いはずなんだけど、いろいろ入力した後の確認画面で、ざっと探した感じではこの繰越額がどこにも表示されていないようだったのので、本当にちゃんと反映されてるんだろうか? と疑問を持った。

どうもよく分からなかったので、自動入力されていた繰り越し損失額を消したうえで、最終的な計算結果を表示させてみた。 すると、みごとに税額が増えていたので、どうやらちゃんと反映されていたらしいという結論に達した。

はまるわけじゃないけど

と、これで基本的に準備は完了した。 ただ1つ、いくつかの支払い調書の記載内容を誰かに見てもらって転記する、という作業が残っている。

最近は雇用時にマイナンバーを求められるし、確定申告の際にも (僕は書かないけど) マイナンバーを書くように言われる。 もしこれをちゃんとやれば支払い調書がなくなり、申告書に自分で転記するなんてことをしなくてもよくなるなら、ちゃんとマイナンバー使おうという気にもなるのだけれど……。